死後事務委任契約について
「死後事務委任契約」という言葉はご存知ですか?今回は、この死後事務委任契約についてご紹介していきます。
死後事務委任契約とは?
「死後事務委任契約」とは、委任者(本人)が、司法書士などの信頼できる第三者に対し、自分が亡くなった後の役所に対する各種届出や葬儀・埋葬手続、遺産の整理など様々な事務処理を委任する契約のことです。
死後事務委任契約の必要性
死後事務委任契約はまだあまり一般的に認知されていないかもしれませんが、現在ではその重要性が増しつつあります。
通常、人が死亡した場合、死亡届や葬儀の手配などの死後の手続(=死後事務)は相続人や親類の方が行うのが一般的です。
しかしながら、昨今の少子高齢化により、そもそも相続人がいない方が増えています。また、核家族化の影響なども加わり、親類縁者等はいても関係が疎遠なため、死後事務を任せられないという方も増えています。
そこで、このような方々は、生前に「死後事務委任契約」を締結して、信頼できる第三者に自分の死後事務を依頼しておくことにより、安心して老後の生活を過ごすことができるようになるのです。
「遺言をする場合」の死後事務委任契約の必要性
自分の死後、自分の意思を実現する手段として、遺言書を残すという方法があります。
しかしながら、遺言でなし得る事項は法律で限定されており、それ以外の事項を記載しても法律上の効力は発揮しません。
すなわち、死後事務について、遺言書でその内容を指定することも可能ですが、法律上の効力はないため、遺言者の一方的な指示(意思)を尊重して死後事務を実施するかどうかは、あくまで相続人の判断にかかってくることになります。
そのため、遺言書を作成して自己の財産の分配方法を決めておくことは重要ですが、それとともに死後事務委任契約を締結しておくことがより良いと言えます。
「任意後見契約がある場合」の死後事務委任契約の必要性
すでに任意後見契約を締結していても死後事務委任契約の必要性は変わりません。
任意後見契約は「委任契約」の一種ですが、委任契約は原則として委任者(事務を依頼した本人)の死亡によって終了し、任意後見人の代理権も消滅します。
そのため、任意後見契約だけでは死後事務に対応することはできず、別途、死後事務委任契約が必要となってくるのです。
他の契約等と合わせて締結する必要性
死後事務委任契約は、当該契約のみを単独で締結することも可能です。
しかしながら、自分が元気ではっきりと意思表示ができるうちに「任意代理契約(財産管理契約)」や「任意後見契約」、「公正証書遺言」などと共に死後事務委任契約を締結する例も少なくありません。
それにより、生前に身体が不自由になったり認知症になったりした場合にも確実に援助を受けることができ、万が一のことを心配せずに日々の生活を安心して送れるようになるのです。
委任(依頼)できる死後事務の内容
一般的には次のような事務が挙げられます。
⑴通夜、告別式、火葬、納骨、埋葬に関する事務
⑵予め指定する親族等関係者への連絡
⑶永代供養に関する事務
⑷医療費や介護施設利用料の支払事務
⑸行政官庁等への諸届け事務
⑹相続財産管理人の選任申立てに関する事務
⑺家財道具や生活用品の処分に関する事務
委任者と受任者との間の任意の契約なので、自分の生活状況から鑑みて死後にどのような手続が必要なのか、どのような事項を依頼しておいたほうが良いのかを検討し、個々の実情に合った契約内容を作成することができます。
流山パーク司法書士事務所にご相談ください
死後事務委任契約についての概要はご理解いただけたでしょうか。
任意後見制度の利用の検討をはじめとして、漠然と老後の財産管理や死後事務に不安をお持ちの方は少なくないと思われます。
少しでもご心配な点があればまずは当事務所にご相談ください。当初のご相談は無料で時間制限なく行っていますのでお気軽にお問い合わせください。ご連絡お待ちしております。
以 上
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