破産手続の質問(不利益編)
今回は、破産手続についてよくある質問「不利益編」です。破産申立てによる不利益(影響)についての質問と回答をご紹介していきます。
「債務整理・破産」のページでも破産手続に関するQ&Aをいくつかご紹介していますが、それよりさらに具体的・詳細なものになります。
破産手続の質問(不利益編)
1 破産をしたことは周囲に知られてしまうのか。勤務先にも知られてしまうのか?
破産をした事実は戸籍や住民票に記載されることはありません。
破産手続開始決定や免責許可決定など、破産手続の中において、その内容が官報に掲載されるものはいくつかあります。
官報は、大きな図書館や市町村役場等で閲覧できるところがあり、現在ではインターネットでも閲覧ができます。しかしながら、一度ご覧いただくとわかるとおり、官報には毎回膨大な情報が掲載されていますので、その中から一般の方が偶然に当該破産情報を目にすることはまずないものと思われます。
勤務先については、裁判所から破産手続に関する通知をすることは原則ありません。 しかし、破産手続開始決定がされると、裁判所は決定がされたことを債権者に通知する必要があるので、勤務先から借り入れがあったり、勤務先が保証債務の履行をして求償権者になっていたりして、債権者になっている場合には、通知がいくことになります。
なお、仮に、勤務先が社員の破産の事実を知ったとしても、それのみをもって解雇することはできません。ただ実際のところ、貸金業者から勤務先に電話がかかってくることもあり、会社に居づらくなってしまうこともありえるでしょう。
2 破産をすると家族や親族に不利益はあるのか?
破産者と家族ないし親族関係にあるというだけで、その者が不利益を負うことはありません。正式に保証人等になっていない限り、破産者の妻だの親だのといった理由で、破産者の債務の支払義務はありません。子の進学や就職、結婚等にも影響はありません。
3 破産をすると保証人に影響はあるのか?
破産(及び免責)の効果は、破産者自身のみに生じます。よって、主債務者が破産及び免責をしたとしても、保証人の債務(保証債務)は残ります。そのため、そのような場合には、債権者の請求は保証人に向けられることになります。
保証債務を支払うのが困難なのであれば、保証人自身が破産申立てを検討する必要があります。
4 破産をすると新たな借り入れはできないのか?
破産をすると、信用情報機関にその情報が登録されます。これがいわゆるブラック情報(ブラックリスト)と言われるものです。
この情報の登録機関は、信用情報機関や登録内容によって差異はありますが、おおよそ5年ないし10年ほどになります。この期間は、新たに金融機関から借り入れをしたり、クレジットカードの発行や利用をすることは困難になります。
5 破産をすると選挙権や職業の制限を受けるのか?
破産により選挙権や被選挙権等の公民権が喪失することはありません。
他方で、一定の資格制限があります。すなわち、破産をすると、弁護士、司法書士、税理士、後見人、保険外交員、警備員、会社の取締役等には就くことができません。
ただし、この制限は免責許可決定が確定すると消滅します。また、免責が許可されなかった場合でも、破産手続開始決定を受けてから10年を経過した時点で消滅します(破産法255条)。
なお、破産手続が管財事件の場合、事件継続中、さらに次の制限を受けます。
①財産に対する管理処分権限の喪失
②居住移転の制限
③郵便物の受信制限
流山パーク司法書士事務所にご相談ください
当事務所では、事前の法律相談はもちろんのこと、「破産申立書」の作成など、債務整理の問題解決に向けて幅広くお手伝いをすることができます。
少しでもご心配な点があれば、まずは当事務所にご相談ください。
当初のご相談は無料で時間制限なく行っていますのでお気軽にお問い合わせください。ご連絡お待ちしております。
以 上
合わせて債務整理・破産のページもご覧ください。
コラム「破産手続の質問(申立て編)」はこちら
コラム「破産手続の質問(資産編)」はこちら
コラム「破産手続の質問(免責その他編)」はこちら