破産申立ての必要書類その7(収入の資料)
今回は、「破産の申立てに必要な書類」をご紹介するコラムの続編です。(コラム「破産申立ての必要書類その1」)からご覧いただければ幸いです。
必要書類10 収入の資料
収入(や職業)について、一般的に必要な書類は次のとおりです。
なお、原則は申立本人に係る書類を提出しますが、場合により(または裁判所により)、家計を一つにする同居者の証明書類の提出を指示されることもあります。
1 給与所得者
ア 直近2か月分の給与明細書
イ 直近1年分の源泉徴収票または課税証明書
2 自営業者
ア 直近2年分の確定申告書及び決算書
イ 法人であれば商業登記簿謄本
3 無職の方
直近1年分の課税証明書
4 年金や児童手当、失業保険など公的扶助を受けている方
ア 受給証明書
イ 生活保護を受けている場合は生活保護受給証明書
5 退職金制度がある方
退職金見込み額の証明書又は支給規程など退職金の試算ができる資料
給与明細書について
複数の箇所で働いているのであれば、全て提出が必要です。パートやアルバイトであっても提出できるのであれば提出した方が良いです。単発的なバイトで明細書等はないけれども通帳に給与振り込みの記載がある場合は、上申書等で通帳の記載の説明をすれば足ります。また、ボーナス支給月であれば、ボーナスの明細書も提出が必要です。
なお、ごくまれに、給与は銀行振込なので、通帳の記載があれば給与明細書は不要ではないかと尋ねる方がいます。
しかしながら、裁判所が給与明細書から確認しているのは支給額だけではありません。一般的な給与明細書からは、支給額のほか、保険や積立並びに勤務先からの借り入れ等、引き去りの額とその内容、労働日数、各種手当など様々な情報が読み取れますので、通帳の記載で代用することはできないのです。
自営業者の確定申告書及び決算書について
前述した給与明細書と同様、様々な情報を読み取ることができますので、当然1枚目だけではなく全てのページを提出することになります。
無職の方
無職であっても課税証明書(非課税証明書)は取得できますので、それを提出することになります。そのほか、陳述書等によって、無職になった経緯や今後の就業可能性などを説明していくことになると思われます。病気等の理由があれば、必要に応じて診断書を提出することもあります。
退職金について
原則は、勤務先から退職金の見込み額の証明書(現時点で自己都合で退職した場合の退職金額)を提出する必要があります。
ただ、この証明を会社に請求することを発端に、破産の申立てをしたことが会社にばれてしまうため提出できないと申し出る方もいます。破産の申立てをしたからと言って当然解雇されるわけではありませんが、色々といづらくなったりすることは事実上ありうるのでしょう。
この点、退職金の見込み額の証明書をどうしても提出しなければならないかは、う事件ごとの裁判官の判断となります。
見込み額の証明書に代えて、就業規程により退職金制度はないことがわかるとか,制度がある場合は具体的に〇〇〇円と計算できるというのならばそれで問題ありません。
また、勤続年数が短いことにより退職金がない(あってもごく少額)という場合もあります。この場合も証明書は不要ですが、おおむね5年以上勤続しているかどうかが一つの目安になるでしょう。
いずれにせよ、事件ごとの裁判官の個別の判断による以上、提出できない相当な事情があるのであれば、上申書等でその事情を裁判所に説明すべきです。
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初回相談は無料で時間制限なく行っていますので、お気軽にお問合せください。ご連絡お待ちしております。
以 上
合わせて債務整理・破産のページもご覧ください。
なお、破産手続については、以下のコラムがQ&A方式になっていて解り易いと思います。是非一度ご覧ください。
コラム「破産手続の質問(申立て編)」
コラム「破産手続の質問(不利益編)」
コラム「破産手続の質問(資産編)」
コラム「破産手続の質問(免責その他編)」