法定相続情報証明制度の概要
「法定相続情報証明制度」について、制度の概要とメリット等についてお話ししていきます。
法定相続情報証明制度の概要
相続が発生すると、不動産の名義変更(相続登記)や、預金や株式の承継(解約)、保険金の請求など様々な手続が必要になりますが、その窓口は法務局、A銀行、B証券・・・などと当然それぞれ別になります。
以前は、相続手続を行うそれぞれの窓口ごとに、被相続人に係る戸籍謄本等の束を提出する必要がありました。各窓口ごとに戸籍謄本等によって相続人を特定する必要があるからです。
法定相続情報証明制度は、相続が発生した場合に、必要書類を揃えて登記所(法務局)に同制度の申請をすると、法務局の登記官が、被相続人の法定相続人を証明(認証)してくれる制度です。
この登記官の認証文のついた書面を「法定相続情報一覧図の写し」といい、被相続人の法定相続人を一覧表にしたものに、登記官の認証文が付されている書面になります。
その後の相続手続は、法定相続情報一覧図の写しを利用することで、相続手続の窓口ごとに戸籍謄本等の束を何度も出し直す必要がなくなります。
法定相続情報証明制度のメリット
制度のねらい
本制度により交付された法定相続情報一覧図の写しが、相続登記の申請手続をはじめ、被相続人名義の預金の払戻し等、様々な相続手続に利用されることで、相続手続に係る相続人・手続の担当部署双方の負担が軽減されることが期待されます。
すなわち、相続人は何度も戸籍謄本等の束を提出しなくてよく、他方で、金融機関などの担当者も、戸籍謄本等の束を逐一チェックしなくてすみ、かつ大量のコピーをとる必要もなくなるということで、双方にメリットがあると言えます。
なお、現在でも、本制度を利用せずに、従来どおり戸籍謄本等の束を利用して相続手続をすることも当然可能です。
同時進行のメリット
銀行(預金口座)の相続手続と不動産の相続登記手続など、複数の相続手続が同時進行で進められることは本制度のメリットと言えます。
例えば、相続登記をする場合、法務局に戸籍謄本等を提出すると、登記手続完了までの2~3週間程度は戸籍謄本等が返却されないため、他の相続手続が進められなくなってしまいます。
しかしながら、法定相続情報一覧図の写しは何枚でも無料で交付してもらえるので、それを利用すれば、複数の相続手続を同時に進めることができるようになるのです。
なお、従来どおり戸籍謄本等の束を利用して相続手続を行ったとしても、法務局や金融機関に提出した戸籍謄本等は、原則として返還してくれるので、本制度を利用しないからといって同じ戸籍謄本等を何通も用意する必要はありません。
法定相続情報証明制度を利用する際の注意点
法定相続情報証明制度を利用する場合の注意点はいくつかありますが、その点は、また別のコラム(法定相続情報証明制度の注意点)でお話ししていきたいと思います。
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以 上
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